■ 2021-07-16

Friday Special Report〜山口県立 萩美術館・浦上記念館編〜

「浮世絵」と聞いて、皆さんはどのような作品を思い浮かべますか??
葛飾北斎が手掛けた「富嶽三十六景」?菱川師宣の「見返り美人図」?
美術館やテレビなどで私たちが目にする機会の多い浮世絵は木版画で作成されたものが多いのだそうです(*^-^*)

現在、萩市の山口県立萩美術館・浦上記念館で開催中の特別展【光ミュージアム所蔵 美を競う 肉筆浮世絵の世界】にて好評公開中の111作品もの浮世絵は、ちょっと珍しい肉筆浮世絵!
岐阜県高山市にある光ミュージアムさんが所蔵されている肉筆浮世絵作品の名品を初めて一挙に紹介されるこの度の貴重な機会。
筆で描かれているからこその柔らかく温かなタッチにうっとりできる空間になっています。

学芸員の渕田恵子さんに作品について解説していただきました◎
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江戸時代から明治時代にかけて…大衆の生活の一部や名所の風景、流行モノを掛け軸に描き、版画に彫り、大流行した浮世絵。
あのゴッホやモネもこのジャポニズムアートの影響を大きく受けたと言われていますよね。
木版画で作成された浮世絵もダイナミックな表現が印象的だったり強いパンチが効いていたりと目を惹く作品が沢山挙げられますが今回の特別展で見られるのは肉筆浮世絵。それも美人をフィーチャーした“美人画”が中心なんです!
人気歌舞伎役者や芸者に遊女と…版画の浮世絵の題材としても人物は活かされてきましたが、肉筆浮世絵の場合は題材のほとんどを占めるのが美人画!
筆で表現できる曲線美が美人を象る、しなやかなラインと相性が良いのでしょうか(@_@)?

展示室には雪のように白い肌に切れ長の瞳、奥ゆかしいおちょぼ口に上品な微笑みを湛えた江戸美人がズラ~~~リと並んでいて、とても華やか。
目移りしてしまいそうな美人画の中で自分だけのご贔屓の美人さんを探してみるのも、きっと面白いはずです。
そうそう、その際には浮世絵に描かれている女性に眉毛はある?お歯黒?という点にも是非注目してみてくださいね。当時の文化から既婚者か未婚者か?凡その年齢など、彼女たちの背景が紐解けますよ。


美人さんを代表で一人ご紹介しましょう。
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こちらは渓斎英泉が描いた「立ち美人」。
メインビジュアルにも抜擢されていて、言わば今回の特別展のセンター担当といったところでしょうか。
誰かに声を掛けられたのか…粋に藍色の着物を着こなした芸者が振り返っている瞬間を捉えています。片手を膝に沿えた仕草や帯の模様まで繊細に描かれているので渕田さんイチオシでもある「立ち美人」、是非じっくりご覧ください。

ロビーにフォトパネルも設置されていますよ♪
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江戸美人と一緒に写真を撮れば今夏のアートな良い思い出になりそうですね。
思い出作りといえば!7月22日(木)~8月22日(日)の期間中の土曜・日曜・祝日・8月13(金)に≪おうちDE CANバッジ≫イベント実施決定。
ご自宅で描いたイラストを美術館に持参されると缶バッジやマグネットにしてプレゼントしてくれる人気のイベントが今年も帰ってきます。イベント当日にご観賞された方が対象なので、この機会に特別展・常設展のご観賞をお楽しみください(#^.^#)<18歳以下の方は入場無料ですよ~

感染症対策もシッカリされている涼しい美術館でゆったりと…大人の方はもちろん、お子様の夏休みの自由研究の題材としてもアートに触れてみてはいかがでしょうか。


山口県立 萩美術館・浦上記念館
9:00~17:00
休館日:月曜日(祝日・休日、第一月曜日、8月16日を除く)
℡ 0838-24-2400


| Category: Friday Special Report | posted at 23:16 | by 瀬来未央 |

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