「鳴き砂復活隊」について/阿武町役場まちづくり推進課 宇佐川大貴さん 前編
山口県で毎週木曜日にお届けしている「コスモ アースコンシャス アクト 未来へのメッセージ in 山口」。
今週のゲストは山口県阿武町の美しい海岸、清ヶ浜の「鳴き砂」を復活させたボランティア団体「鳴き砂復活隊」について、阿武町役場まちづくり推進課の「宇佐川大貴」さんにお話をお伺いしました。
鳴き砂とは、砂浜を歩くと砂の粒が擦れて音が出る現象のこと。
日本の他の有名な鳴き砂の浜には、京都の琴引浜や島根県の琴ヶ浜などがあります。
それぞれの浜によって、砂の粒の大きさや含まれる成分の割合が異なるため、音の高さや響き方も微妙に違うそうです。
山口県内では清ヶ浜の他に、下関市に「鳴き砂ビーチうしろはま」という鳴き砂の浜があります。
ここも、とても綺麗な海岸で、水質も良いと評判の場所。
鳴き砂は特に砂が乾燥していて、粒がきれいな状態の時に靴などで圧力をかけると音が鳴りやすいとのこと。
実際に清ヶ浜の砂を乾燥させて用意したもので音を鳴らしてもらうと、高く澄んだ音が響きました。
清ヶ浜の鳴き砂は、1985年頃から増え始めた漂着ゴミが原因で、砂の間にゴミが入り込み、音が鳴らなくなってしまいました。
しかし、「かつて聞こえていた鳴き砂の音をもう一度聞きたい」「この美しい音を子供たちにも残したい」という地元の声が多数上がり、それがきっかけで2004年に「鳴き砂復活隊」が結成されました。
清ヶ浜に多い漂着ゴミは、漁網や船についている大きなスチロール、青いポリタンクの切れ端など、海外からのものが目立つそうです。特に回収が難しいのはマイクロプラスチックのような小さなゴミで、ふるいを使って地道に回収していらっしゃいます。
見た目はきれいに見えても、砂の中には小さなゴミが入り込んでいるため、気の遠くなるような作業。
鳴き砂復活隊は、地域の皆さんと連携しながら清掃活動を行っています。
「鳴き砂を取り戻そう」「地球のために何かしたい」という思いを持った方々が隊に参加したり、自主的にゴミを回収したりしているそうです。
清掃活動は 毎月最終日曜日の午前9時から行われています。
誰でも参加ウェルカムで、事前の準備として長靴や軍手、帽子、水分補給できるものがあると良いでしょう。
鳴き砂の音を取り戻すために地道な活動を続ける「鳴き砂復活隊」。
美しい自然を守るための活動に、あなたも参加してみてはいかがでしょうか。