『椹野川河口域・干潟自然再生協議会 ブルーカーボンワーキンググループ』前編
■出演■グループリーダー 山口大学工学部 山本浩一(やまもとこういち)教授
山口県で毎週木曜日にお届けしている「コスモ アースコンシャス アクト 未来へのメッセージ in 山口」。
今週は、「椹野川河口域・干潟自然再生協議会」のブルーカーボンに関する取り組みについて、山口大学工学部の山本浩一教授にお話を伺いました。
山口市にある椹野川の河口部には、300ヘクタールを超える広大な干潟が広がっています。
この干潟は、多くの渡り鳥が訪れる場所であり、「生きている化石」と呼ばれるカブトガニの生息地としても知られています。また、環境省の「日本の重要湿地500」にも選定されている貴重なエリアです。
この干潟を守るため、2003年に施行された自然再生推進法に基づき、2004年に「椹野川河口域・干潟自然再生協議会」が設立されました。
アマモが地球を救う「ブルーカーボン」
ブルーカーボンとは、沿岸の植物や生き物が、空気中の二酸化炭素(CO2)を吸収しその炭素を海水や海底に貯蔵する機能のことです。
この機能を持つ海域を再生・保全することは、地球温暖化対策として世界的に注目を集めています。
アマモが担う、二つの大切な役割
- CO2の吸収:アマモは光合成により、海中に溶け込んだCO2を効率よく吸収します。
- 海のゆりかご:アマモの群落(アマモ場)は、多くの魚や貝の産卵場所となり、稚魚が育つための隠れ家となります。つまり、アマモを増やすことは、生物多様性を高め、地元の漁業や生態系全体を豊かにすることにつながります。
ブルーカーボンワーキンググループの活動には、「山口県や山口市の豊かな自然を多くの人に感じてもらいたい」という、地域への強い思いが込められています。
この貴重な干潟と、未来の地球環境を守る取り組みは、一部の専門家や行政だけの活動ではありません。
私たち一人ひとりの関心と行動が、大きな力になります。
この貴重な宝、椹野川の干潟が、これからも「生きている化石」カブトガニの命を育み、
未来の子どもたちの笑い声が響く場所であり続けるために。皆様の関心と行動をお願いします!
次回は、ブルーカーボンワーキングの具体的なアマモ増殖活動の様子や、私たちが日常生活でできるエコアクションについてご紹介します。

