『アトリエ a.p.r 片山 涼子さん』前編
山口県で毎週木曜日にお届けしている「コスモ アースコンシャス アクト 未来へのメッセージ in 山口」。
今回は、着物リメイクを中心に、伝統的な着物を現代のファッションへと再生し、唯一無二のデザインを生み出している「アトリエ a.p.r」の片山 涼子さんにお話を伺いました。
古い着物から現代的な洋服や小物へと新しい命を吹き込む
古い着物から現代的な洋服や小物へと、新しい命を吹き込むアトリエ兼店舗には、着物地に新しい命を吹き込んだ様々な作品が並んでいます。
黒い羽織りをリメイクしたブルゾンは、もともと着物にあった美しい柄が、背中の部分にそのまま活かされています。
柄物の着物地をパッチワークして作られたスカートは、カーテンのひだのようなドレープが出るデザインが特徴的で、スカートのひだの部分が一つ一つ違う柄の着物地で構成されています。
片山さんによると、どの色と柄をどの順番で並べるかを決める工程が、最も時間と手間がかかるそうです。
その他ドレスやお化粧ポーチや小銭入れに使える「がま口」など、サイズ違いの小物も制作されています。
片山さんが着物リメイクを始めるきっかけは、意外なものでした。
山口県立大学の大学院生だった頃、ベンチャー企業でお仕事をされており、当時の店舗(今のアトリエから4軒ほど隣)で、着物を着てたすき掛けをし、生地を切ったりミシンを踏んだりしていました。
その様子を見ていた近所の奥様から、「あなた着物のリメイクできる?」と尋ねられたのが始まりです。
片山さんは、着物を着るのが好きであり、作るものも服であることから、「多分できるだろう」と思い「できますよ」と答えたそうです。
彼女自身、着物を着たときに「袖が邪魔だな」「帯が苦しいな」という気持ちを抱えていたため、リメイクという分野に強い興味があったことも後押しとなり、要望と自身のやってみたい気持ちが合わさってリメイクを始めたそうです。
記念すべき第1号作品は、ジャケット。
片山さんの作品は、単に作り変えるだけでなく、着物という素材を「生かし」新しいものを作り出している、そんな力強さを感じさせてくれます。

