コスモアースコンシャス アクト 未来へのメッセージ in 山口(12/11)

『アトリエ a.p.r 片山 涼子さん』後編

山口県で毎週木曜日にお届けしている「コスモ アースコンシャス アクト 未来へのメッセージ in 山口」。
先週に引き続き、着物リメイクを中心に、伝統的な着物を現代のファッションへと再生して、唯一無二のデザインを生み出している「アトリエ a.p.r」の片山 涼子さんにお話を伺いました。

「誰かの思い」を現代に繋ぐ着物リメイク

片山さんがこの活動を通して最も伝えたいのは、着物に込められた「思い」を繋ぐことです。
着物は「どこのご家庭のタンスにも、ひっそり眠っているもの」であり、すぐに捨てられずにずっと眠っているのは、「きっと他の時代の誰かの大事にしたいっていう思いがそこにあるから」だと片山さんは感じています。
その「大切にしたい」という思いを、形を変えることで今に繋げたい。これが制作の根底にある動機です。
もちろん、タンスを開けてみて、もうひどく汚れていて、「着物としての役割を全うした」と判断できるものもあります。
しかし、中には「まだすごく綺麗なのに、なかなか日常では着ることが難しい」という着物も多いのではないでしょうか。
そういったものに対しては、「再び着られるようにしてあげる」という方法がある、と片山さんは語ります。

片山さんの未来への挑戦

片山さんが次に挑戦してみたいこととして挙げたのが、瑠璃光寺五重の塔との融合です。
改修を終え「美しくなった」五重の塔に自身の作品を融合させ、山口の新しい美しさを見ていただきたい。
具体的には、五重の塔でのファッションショーや、片山さんが作ったドレスを着た音楽家による演奏など、昔からあるものと新しく生まれるものが融合するようなイベントを、あの空間で実現したいと考えています。

エコアクションの第一歩とは?

最後に、リスナーに向けてエコアクションについてのメッセージをいただきました。
エコアクションというと難しく考えがちですが、片山さんはこう提案します。
自分が買うものや使おうと思うものが、「誰かの手がかかっている」あるいは「誰かの思いが乗っている」ものだと感じたら、その人は自然とそれを大切にするものです。
そして、
「物を大切にしていくこと」は、ある意味「エコ」にも繋がっていく。
だからこそ、「買い物をする時には少しこう自分が大切にできるものを手に入れる」
というところが、エコアクションの第一歩になるのではないか、と結びました。

歴史ある着物に新しい息を吹き込み、人や町、そして時間をも繋いでいく。
片山さんの生み出す一つ一つの作品には、未来への希望の光が宿っているように感じられます。