コスモアースコンシャス アクト 未来へのメッセージ in 山口(12/18)

『アトリエまりこあめ』前編

山口県で毎週木曜日にお届けしている「コスモ アースコンシャス アクト 未来へのメッセージ in 山口」。
今回は、山口県の美しい島、周防大島を拠点に活動され、摘果されたみかんや規格外の柑橘類を素材に、透明感あふれるレジンアクセサリーを制作されている「アトリエまりこあめ」 こと藤弘真理子(ふじひろまりこ)さんにお話を伺いました。
※「アトリエまりこあめ」は、アーティストネーム

アップサイクルという考え方

アトリエまりこあめさんが行っているのは「アップサイクル」という資源の再生方法です。
アップサイクルは、リサイクルとは異なり、素材そのものに新たな価値を加えて生まれ変わらせ、次のステージで輝かせることを目指しています。

制作に使われる素材は、周防大島名産のみかんをはじめとした柑橘類、そして乾燥した岩国蓮根です。
みかんのアクセサリーは、品質向上のためにまびかれる「摘果(てきか)」された小さな果実を使っています。
蓮根については、乾燥品を販売する農家から、小さかったり形が不揃いだったりする、食べる分には問題ないものの商品としては切り落とされて捨てられていた「端っこ部分」を分けてもらっているそうです。

廃棄される運命だった素材に光を当てる

アトリエまりこあめさんがこの活動を始めたきっかけは、約6年前にSNSで繋がった周防大島のみかん農家さんとの共同開発でした。
この農家さんから、毎年8月頃に、木になっている小さな果実の約7割が切り落とされているという実情を教わったそうです。また、丹精込めて作られたにもかかわらず廃棄されることになったみかんが、土に分解するために踏み潰されて畑に捨てられていることを知り、「もったいない」「残酷だ」と感じたことも、活動の大きなきっかけの一つとなりました。

スーパーに並ぶきれいな形のもの以外、少しでも黒ずんでいたり、形がへこんでいたり、わずか1ミリでも傷があるといった理由で、たくさんの農産物が廃棄されている現状があるそうです。

素材本来の美しさを活かす工夫

アトリエまりこあめさんのアクセサリーは、着色をしないという点もこだわりです。
素材本来の色味をそのまま生かすために、水分をしっかり抜いて、爪で弾くと割れてしまうほどパリパリに乾燥させてからレジンでコーティングする手法を用いています。

廃棄されるはずだったものが、アトリエまりこあめさんの努力と技術によって、こんなにも美しく生まれ変わっているこの取り組みは、本当に素敵なエコアクションだと感じました。