コスモアースコンシャス アクト 未来へのメッセージ in 山口(12/25)

『アトリエまりこあめ』後編

山口県で毎週木曜日にお届けしている「コスモ アースコンシャス アクト 未来へのメッセージ in 山口」。
先週に引き続き、山口県の美しい島、周防大島を拠点に活動され、摘果されたみかんや規格外の柑橘類を素材に、透明感あふれるレジンアクセサリーを制作されている「アトリエまりこあめ」 こと藤弘真理子(ふじひろまりこ)さんにお話を伺いました。
※「アトリエまりこあめ」は、アーティストネーム

規格外の素材と海洋ゴミに「新しい命」を吹き込むアクセサリー

アトリエまりこあめさんは、規格外とされたみかんや蓮根などの柑橘類を素材に、レジンアクセサリーを制作しています。
これは、ただ可愛いだけでなく、その素材を使っているからこそ「世界で1つ」の唯一無二の作品となっています。

例えば、みかんのブローチはオレンジ色にキラキラ光り、岩国蓮根を使ったイヤリングは500円玉ほどの可愛らしいサイズ感で、蓮根特有の「穴が9つあるんだよ」という特徴をお客様との会話のきっかけにしながら販売されています。

深刻な海洋ゴミ問題への挑戦

アトリエまりこあめさんは、ほかにも周防大島の海に流れ着いた海洋ゴミを素材にしたアクセサリー制作にも取り組んでいます。

美しい海の風景が目に浮かぶ周防大島ですが、実際には浜辺にはポイ捨てされた食べ物のゴミや袋、そして海水や紫外線によって細かく砕かれたマイクロプラスチックが大量に打ち上げられています。
以前、外国のドキュメンタリー映画を通して、これらのゴミが生物や環境に与える深刻な影響を知りました。
この問題を人ごととせず活動に組み込むため、彼女は講座やイベントでワークショップを開催しています。

参加者は砂浜の砂をすくい、海にあるべきではない色鮮やかなプラスチック片を選び、それをキーホルダーなどアクセサリーの一部として封じ込めて持ち帰ります。
アトリエまりこあめの願いは参加者が持ち帰った作品が、家庭や周りの人々との間で海洋ゴミの問題について話し合うきっかけとなることです。
彼女は、たとえ島で海洋ゴミ拾い活動をしても、翌日にはまた新しい漂着物があるという現状を伝え、問題の深刻さを周知したいと考えています。

「行動してみること」の大切さ

この取り組みは、海洋ゴミを「ただのゴミ」ではなく、輝く作品へと生まれ変わらせると同時に、人々に「海に遊びに行った時、自分たちはどう行動するのか」という問題意識を持たせることを目的としています。
エコアクションを始めたいと思っている方々に向けて、「やらないと始まらない」という力強いメッセージを送っています。
小さなことでも、まず「やってみたいな」と思う気持ちを何らかの行動に繋げることが重要です。そうすることで、少しずつ積み重ねが生まれ、気がつけば思いが同じ人たちとの横の繋がりができてくると語っています。まずは「言葉にしてみたり動いてみる」ことの大切さを、アトリエまりこあめさん自身が実感しているとのことです。

規格外の素材や、行き場を失った海洋ゴミに「新しい命」を吹き込むアトリエまりこあめさんの今後の活動に、引き続き注目していきましょう。