萩美術館・浦上記念館を訪ねて
第64回リポートは、萩美術館・浦上記念館の学芸員、市来さんにお話を伺いました。
現在開催中の特別展について

『開館30周年記念 This is SUEKIー古代のカタチ、無限大!』です。今回の特別展は日本の焼き物文化の原点とも言える『須恵器』をテーマにした展覧会です。須恵器は今からおよそ1,600年前、古墳時代に朝鮮半島から伝わった新しい技術によって生まれた灰色の硬い焼き物で、その後の日本の陶磁器文化の礎となりました。本展では、全国各地から集まった約200点の作品をご紹介しています。その中には重要文化財も11件含まれています。これほど大規模な須恵器展は約40年ぶりです。器としての美しさだけでなく、古代の人々の暮らしや祈り、そして豊かな発想力まで感じられる内容になっています。須恵器には壺や高杯(たかつき)や長頸壺(ちょうけいこ)など様々な種類がありますが『これは何に使ったんだろう?』『どうやって作ったんだろう?』と想像しながら見るだけでも十分楽しめます。また、現在の食器や花器、デザイン雑貨にも通じるような美しいフォルムやバランスを持つ作品が数多くあります。『1600年前のデザインなのに、今見てもかっこいい』と感じる作品も少なくありません。ぜひお気に入りの作品を見つけながら会場を巡ってみて下さいね。須恵器がグッと身近に感じられるかもしれませんよ。会期は9月23日までとなっています
『須恵器』初心者の人について
須恵器という名前を初めて聞く方も多いと思いますが会場では年代ごとの変化や用途などをわかりやすく紹介されています。例えば、お酒を入れる器や食器、祭りで使われたもの、さらには鳥や亀をモチーフにしたユニークな形の作品など、『こんな形が古墳時代にあったの?』と驚くような展示もたくさんあります。古代の人たちが、実用性だけではなく、デザインにも工夫を凝らしていたことがよくわかるので美術や歴史に詳しくない方でも形を見比べながら楽しんでいただけます。『古代のデザイン展』を見るような感覚でご覧になってみてくださいね。

市来さんが特に注目してほしい作品は…?
『亀型須恵器』と呼ばれる亀の形をした須恵器です。これは出品選定の段階から市来さんが一目惚れして是非多くの方に見てほしいと集めたものだそうです。まーちゃんは現代の亀をイメージしていましたが甲羅の部分が鋸のようにギザギザしていて脚も三本だったので当時の亀のイメージして作られたのか?神秘的な作品ですね。
楽しみ方のポイント!
まずは全国から集まった名品が一堂に会していることに注目して下さい。普段は各地の博物館でしか見ることのできない貴重な作品を、萩でまとめてご覧いただけます。また、須恵器は時代とともに少しずつ形が変化していきます。その変化を追いながら見ていくと、日本の文化や社会がどのように発展してきたのかも見えてきます。さらに前期・後期で一部展示替えもされますので、期間中に何度足を運んでいただいても新しい発見があります。お気に入りの形やデザインを探しながら楽しんでみて下さい。
市来さんのお話を聞けるギャラリーツアーについて
期間中は担当学芸員によるギャラリーツアーを毎週日曜日に開催されています。展示室を一緒に歩きながら、作品の背景や見どころをわかりやすく解説されますので、初めての方にも大好評です。また、専門家による記念講演も開催予定です。須恵器が日本に伝わった歴史や各地の釜について、最新の研究成果も交えながら紹介して下さいます。展示を見る前でも後でも、より須恵器の魅力を知っていただける内容になっていますよ。
64回目のリポート
萩に大集合!今回の須恵器についても歴史の素晴らしさも感じられる作品ばかりなので是非期間中に足を運んでみて下さいね。次回のリポートもお楽しみに😃

萩美術館・浦上記念館
萩市平安古町586−1
Tel. 0838−24−2400
